「短時間正社員」という新しい雇用形態は広がるか(写真:metamorworks/Shutterstock.com)

「週2日」や「1日4時間」など、フルタイムよりも短い時間で働きながらも正社員という「短時間正社員」という働き方が広がっています。よく似た言葉の「時短勤務」が、育児中の従業員といったように対象者や期間を限定しているのに対して、短時間正社員の制度にはそうした制限がありません。正社員としての雇用の安定は得ながらも、パートのように柔軟性の高い働き方ができるのが特徴です。人手不足が深刻となる中、企業は人材の確保や定着策として注目しています。短時間正社員について、やさしく解説します。

無期契約で、給与の算定方法もフルタイムと同じ

 厚生労働省によると、短時間正社員とはフルタイム正社員(1週間の所定労働時間が40時間程度)と比較して労働時間が短い正規型の社員のことを指します。働く時間は短いものの、労働契約はフルタイム正社員と同じ無期契約で、基本給や賞与、退職金などの算定方法もフルタイム正社員と同じとされています。

 法的に定義されている制度ではありませんが、多様な働き方の実現を目指して、厚生労働省が近年普及を図っています。

 短時間正社員の働き方には、1日の所定労働時間を短縮する「短時間勤務」と、1週間の所定労働日数を短縮する「短日勤務」があります。実際にどのような働き方をするかは企業や働き手によりますが、例えば「1日4時間」や「週に2日」といった働き方ができます。

 正社員としての安定はありながらも、柔軟に働けるのが特徴で、人手不足が深刻となる中、企業からの注目が集まっています。


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 人材サービス会社のビースタイルスマートキャリアによると、同社が展開する人材サービス「スマートキャリアAGENT」において、2024年1~6月の短時間正社員の求人数は前年同期に比べて2.19倍に増加し、依頼する企業数も1.5倍に増えました。

 では、既存の時短勤務などとは何が違うのでしょうか。