「走る歓び」、マツダの3つの商品群

 1つ目は、2012年に始まったマツダ第5世代の流れをくみ、その後に何度か改良を加えたもの。「CX-5」がその代表例だ。

 2つ目が、「マツダ3」から始まった「スモール商品群」。FF(前輪駆動車)がベースとなり、「CX-30」や北米の「CX-50」などが含まれる。

 そして3つ目が、CX-60を皮切りとした「ラージ商品群」で、こちらはFR(後輪駆動車)がベースだ。

 日本と欧州では、「CX-60」と「CX-80」、北米では「CX-70」と「CX-90」、さらにマツダのマーケットシェアが大きいオーストラリアではこれら4モデル全てを導入する。

試乗に先立ち商品説明をする、CX-80 主査の柴田浩平氏(写真:筆者撮影)

 マツダを含めて日系メーカーは、セダンやSUVではFFが主流であり、SUV市場が大きな北米であっても全長5m超えのフルサイズSUVがFRで、それよりサイズが小さくなるとFFが多いというのが実状だ。

 そうした中、マツダの独自性を貫くため、直列6気筒エンジンを縦置きとしたFRプラットフォームとして、ラージ商品群を企画したのだ。

 目指したのは「走る歓び」だ。

 ドライバーとクルマとの関わり方を、「人中心」の観点で洗い直した。車体設計、サスペンション設計、そしてマツダ独自の燃焼理論であるSKYACTIVを極めた結果たどり着いた、排気量を拡大して燃費を向上させた3.3L ディーゼルエンジンだ。

 また、電動化については国や地域によって政策や社会環境によって、進捗に違いが生じている。そのため、ラージ商品群では、3.3Lに48Vマイルドハイブリッド化したe-SKYACTIV D 3.3 と、直列4気筒2.5Lガソリンエンジンのプラグインハイブリッド(PHEV)を組み込んだ。

 こうした車体、サスペンション、パワートレイン、さらにインテリアの造形についても、CX-60とCX-80は共通部分が多い。

 その上で、実際に走行して感じた2モデルの差はどのようなものなのか?