9月25日、ロシアのモスクワで、核抑止をテーマとする国家安全保障会議の議長を務めるロシアのプーチン大統領(写真:ロイター/アフロ)
拡大画像表示

(国際ジャーナリスト・木村正人)

核兵器国の参加や支援があればロシアへの共同攻撃とみなす

[ロンドン発]ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9月25日、主要閣僚を集め、核抑止力を議題とした国家安全保障会議を開き、米欧がウクライナにロシア国内への長距離兵器使用を認めるのを阻止するため、核抑止に関する国家政策の基本方針を更新する考えを示した。

 核兵器使用の条件として(1)非核兵器国(ウクライナ)によるロシアへの侵略でも核兵器国(米英仏)の参加や支援があればロシアへの共同攻撃とみなす(2)航空宇宙兵器の大規模な発射と国境通過に関する信頼できる情報を得た場合――の2つを明確に示した。

 航空宇宙兵器として戦略・戦術爆撃機、巡航ミサイル、ドローン(無人航空機)、極超音速ミサイルを挙げた。隣の同盟国ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の同意も得ているとして、ロシアとベラルーシへの侵略が起きた場合も核兵器使用の対象となるとした。

 通常兵器の使用でも両国の主権に重大な脅威を与える場合も含まれる。ロシアと同盟国にとって新たな軍事的脅威とリスクを含む軍事的・政治的状況の変化を考慮し、核抑止の対象となる国や軍事同盟のカテゴリー、核抑止措置が講じられる軍事的脅威のリストを拡大する方針だ。