政党助成金の存在、企業献金の是非を徹底的に議論すべき

 では、「政治改革」では何が論争テーマとなり得るのだろうか。入り口としては政治資金規正法の抜本的改正だろう。

 一連の裏金問題で岸田政権は、政治資金パーティ券購入者公開基準を従来の「20万円超」から「5万円超」まで引き下げる、国会議員に自身の政治団体の収支報告書を確認する義務を負わせた上で、確認を怠って不記載や虚偽記載があった場合は処罰され公民権停止となる事項が盛り込まれる、など形ばかりの前進はあった。

 しかし、会計責任者が罪に問われる場合に国会議員を同様に罰せられる「連座制」の導入は見送られた。使途不明疑惑が指摘されている政策活動費については、野党の一部は廃止を求めていたが、使途公開を条件に存続が決まり、公開時期は10年後という実にいい加減な決着となった。

 政治資金規正法の抜本的強化に加え、ここは原点に返って「政党交付金」の存在、「企業献金」の是非を徹底的に議論して、適正な形に正していくのが筋ではないだろうか。

 総裁選で本命視されている小泉進次郎氏はBSフジの番組で「個人献金はオーケーだが企業献金は悪だというのは違う。冷静な議論をした方がいい」と語っていたが、何がどう違うのか。国民にはっきり分かるような言葉で説明すべきだ。

 政党交付金は今も国民1人当たり250円の負担(令和6年度は総額315億円)となっている。この国民1人当たり250円の算定根拠について、導入当時のいきさつを知る政界関係者は「コーヒー1杯が250円だったから、そんなところに落ち着いた」と仰天話を語っていた。大幅な見直しが必要だろう。

自民党総裁選に立候補した小泉進次郎氏本命視される小泉進次郎氏は自民党を変えられるのか(写真:共同通信社)