張飛 画像/Bridgeman Images/アフロ

 約1800年前、約100年にわたる三国の戦いを記録した歴史書「三国志」。そこに登場する曹操、劉備、孫権らリーダー、諸葛孔明ら智謀の軍師や勇将たちの行動は、現代を生きる私たちにもさまざまなヒントをもたらしてくれます。ビジネスはもちろん、人間関係やアフターコロナを生き抜く力を、最高の人間学「三国志」から学んでみませんか?

呉の周瑜から、勇猛無比と言われた劉備配下の猛将張飛

 前回の関羽と並び称される勇猛な武将で、劉備配下で知らぬ人がいない存在に「張飛」があります。張飛も、劉備が黄巾の乱で挙兵(184年)してからずっと劉備に付き従い、劉備への信義を貫いた武将でした。

 赤壁の戦い(208年)に呉と劉備の連合軍が勝利したのち、劉備は孫権の妹を妻として、210年には荊州を借りることを孫権に依頼します。そのとき、呉の名臣周瑜は次のように述べました。

『劉備は梟雄としての資質を備え、しかも関羽・張飛といった勇猛無比の将を持つゆえ、久しくは人の下に屈していますまい。みだりに土地を割いて、劉備に基盤を与えるのは最も危険です』(書籍『正史三國志 群雄銘銘傳』より)

 また周瑜は、劉備と関羽、張飛を引き離して、勇猛無比な関羽と張飛を自分(周瑜)が指揮すれば、天下を収めることもできると発言しています。それほどに、呉軍側からも関羽と張飛の武勇は高く評価されていたのです。