自民党総裁選の所見発表演説会に臨む立候補者(2024年9月12日)自民党総裁選の所見発表演説会に臨む立候補者(2024年9月12日、写真:共同通信社)

 9月12日、自民党総裁選(27日投開票)が告示された。立候補者は高市早苗経済安全保障担当大臣、小林鷹之前経済安全保障担当大臣、林芳正官房長官、小泉進次郎元環境大臣、上川陽子外務大臣、加藤勝信元官房長官、河野太郎デジタル大臣、石破茂元幹事長、茂木敏充幹事長の9人。40代2人、60代6人、70代1人、女性2人という顔ぶれだ。

 早くから「小泉進次郎本命」「10月総選挙」などとはやし立てるメディアもあったが、今回の選挙は“劇場型選挙戦”に踊らされている場合ではない。一般国民には投票権のない選挙だが、次期首相が選ばれる選挙だけに、その意味合いは実に大きい。自民党のウラ金腐敗政治に辟易としている国民に、今回こそはまともな政策論争を繰り広げてほしい。自民党政治を30年以上ウォッチしているジャーナリストの山田稔氏が総裁選を検証する。(JBpress編集部)

>>【写真】自民党総裁選、過去最多9人の候補者の顔ぶれ

旧態依然の金権体質、候補者たちの「看板倒れの高学歴」

 今回の自民党総裁選で驚いたのは、前代未聞、過去最多の9人もの立候補者がいること。そして、超高学歴の候補者が多いことである。

 何と東大→ハーバード大大学院卒業者が4人も名を連ねている。小林氏、林氏、茂木氏、上川の4氏が東大→ハーバード組。ハーバード大ではないが小泉進次郎元環境相は関東学院大からコロンビア大大学院、河野太郎デジタル相はジョージタウン大といずれも米国の名門大を卒業している。

小林鷹之前経済安全保障担当大臣小林鷹之前経済安全保障担当大臣(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
林芳正官房長官林芳正官房長官(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
小泉進次郎元環境大臣小泉進次郎元環境大臣(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
河野太郎デジタル大臣河野太郎デジタル大臣(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 自民党は超高学歴、国際派人脈の宝庫だったのだ。それでいながら、長年にわたって続いた裏金政治や旧統一教会との関係を、自民党の幹部、一員として改めることができなかったのだから、高学歴は看板倒れということか。

 総裁選立候補にあたっていくら「改革」を強調しようが、裏金腐敗政治が発覚してから、その候補者は何をしたのか。改革につながる言動があったのか、きちんと検証すべきだ。