予算案成立のために日本維新の会を抱き込んだ石破首相(写真:共同通信社)予算案成立のために日本維新の会を抱き込んだ石破首相(写真:共同通信社)

(宮前 耕也:SMBC日興証券 日本担当シニアエコノミスト)

<主要な交渉相手が変遷>
 自民、公明両党は、衆議院で少数与党に陥っている状況下、2025年度予算案への賛成を取り付けるため主要野党と交渉している。

 昨年の衆院選直後の段階では、石破政権は衆院選で議席数を大幅に増やした国民民主党との協力を重視。国民民主党が公約に掲げた所得税の基礎控除等引き上げを巡る協議を重ねてきた。

 事実、12月13日に与党は103万円から123万円への引き上げを提示したが、178万円への引き上げを求める国民民主党は合意せず、協議がいったん打ち切られた。その後、石破政権は、基礎控除等の123万円への引き上げを盛り込んだ2025年度税制改正の大綱および予算案を、いわば見切り発車で昨年末に閣議決定した。

 石破政権は2025年度予算案を今国会に提出。予算案の修正含みで主要野党と個別に協議している。

 本稿執筆時点では日本維新の会との協議が進展。高校授業料の無償化等の実現を条件として、日本維新の会が予算案に賛成する公算が大きくなっている。議論が難航している社会保障改革で合意できるか次第だが、近日中にも3党間で正式合意に至りそうだ。