
石破茂政権で初となる通常国会が1月24日に召集され、政府が提出した2025年度予算案の審議が始まりました。年1回召集される通常国会は「常会」とも呼ばれ、150日間の会期中にさまざまな懸案や課題が審議されます。教育も福祉も外交・防衛も予算なしには成り立ちません。予算は国家の根幹を成すもので、その中身を見ると、いまの日本の姿や進行方向も見えてきます。そもそも国家予算とは何でしょうか? 2025年度予算案のポイントも含め、やさしく解説します。
そもそも「一般会計予算」とは?
国家の一般会計予算は、どうやってできていくのでしょうか。
予算とは「何にいくらお金を使うか」の見積もりです。例えば、普段の暮らしの中でも「今月の食費は5万円に抑えよう」「交際費は2万円」などと、ひと月あたりのお金の使い道をあらかじめ決めている人も少なくないでしょう。
政府も家計と同じように1年間の収入と支出を見積もり、同時に「どんな事業にいくら必要か」「新たな政策の推進にいくら費やすか」「国家公務員の給与は全部でいくら必要か」といった細目を詳細に組み立てています。これの全体像が「予算案」です。国家予算では収入を「歳入」、支出を「歳出」と呼んでいます。
予算案づくりは毎年、年度初めの春ごろから始まります。対象となるのは、1年先の予算案。したがって、2025年度に始まる作業は2026年度予算案ということになります。