米国の内戦を期待するクレムリン
この裁判の結果がどうなろうと、そしてそれが世論にどんな影響を及ぼそうと、ひとたび裁判が終わればトランプはすさまじい勢いで戻ってくるだろう。
だが、議会下院では4月20日に一つの呪縛が解かれた。
支援の一部を借款に分類して体面が保たれるようにするのと引き換えに、トランプはジョー・バイデンとウクライナ――トランプ主義者にとっては、どちらも大統領弾劾と選挙での敗北をでっち上げた張本人だ――に時宜を得た猶予を与えた。
下院はまた、凍結していたロシアの外貨準備60億ドルを差し押さえてウクライナのために使う権限をバイデンに認める法案も成立させた。これ以外の3000億ドルに上るロシアの海外資産のほとんどは欧州にある。
クレムリンは不快感を示した。
ウラジーミル・プーチンのポーカーフェイスの報道官は「こうなることは完全に予想していた」と述べた。
前大統領のドミトリー・メドベージェフは米国に新たな内戦を始めるよう求め、そうすれば「21世紀の悪の帝国が不名誉な分裂に至ることになる」と言い放った。