時代とともに変わってきたオーナー企業の業種
日本のプロ野球では、チームの名称に企業の名を用いることが認められています。シーズン中、ほぼ毎日のように試合があり、その都度チーム名が各メディアで大々的に報じられますから、企業にとっての宣伝効果は抜群です。
プロ野球の球団名は産業の栄枯盛衰も反映してきました。1950年代には「東映フライヤーズ」「大映スターズ」「松竹ロビンス」といった映画会社のチームが活躍します。また当時は捕鯨が盛んで、大洋漁業が捕鯨基地の山口県下関市を本拠地とする「大洋ホエールズ」を創設し、プロ野球に参加。鉛筆メーカーのトンボ鉛筆がチームを持ったこともあります。
1960年代から70年代にかけては「西鉄ライオンズ」「南海ホークス」「阪急ブレーブス」「国鉄スワローズ」「東急フライヤーズ」などの鉄道会社のチームが全盛期を迎えました。日本列島改造ブームに湧いた1970年代には「太平洋クラブライオンズ」「日拓フライヤーズ」など不動産・レジャー系の球団も登場しました。
今年からファームに参加する2球団を後押しするのは、金融事業やベンチャー企業支援、AI事業などを手掛ける企業グループ(くふうハヤテ)、食品のサブスクサービス(オイシックス)です。現在の成長分野を象徴する分野であり、時代の変化を感じさせます。
プロ野球1軍の公式戦もいよいよ3月29日にスタートします。阪神が球団史上初の2連覇を達成するのかなど話題は豊富ですが、今シーズンは1軍だけでなく、ファームのリーグ戦にも着目したいところです。
「くふうハヤテベンチャーズ静岡」と「オイシックス新潟アルビレックスBC」の成績はどうなるでしょうか。今は負けが込んでいますが、140試合という長いシーズンが終わる頃には思わぬ展開になっているかもしれません。
フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。
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