「くふうハヤテベンチャーズ静岡」でチーム初安打を放つ倉本寿彦選手=静岡市(写真:共同通信社)

プロ野球セ・パ両リーグの公式戦が3月29日に始まります。それよりも一足早く開幕したファーム(2軍)の公式戦には今年から2つの新球団が参加し、すでに熱い戦いを繰り広げています。新潟市を本拠地とする「オイシックス新潟アルビレックスベースボールクラブ(BC)」と、静岡市の「くふうハヤテベンチャーズ静岡」の2球団です。日本野球機構(NPB)の新球団は65年ぶりですが、新規参入の狙いや将来像はどうなっているのでしょうか。専門記者グループのフロントラインプレスがやさしく解説します。

フロントラインプレス

※試合結果・成績などはいずれも3月25日現在

2軍戦に異例の大観衆

 くふうハヤテベンチャーズ静岡が所属するファームのウエスタン・リーグは3月15日に開幕し、くふうハヤテは本拠地の「ちゅ〜るスタジアム清水」(静岡市)でオリックス・バファローズと対戦しました。静岡県では初めてのプロ球団。その記念すべき初戦は1−9のスコアで完敗でしたが、球場には開門前から300人以上のファンが列を作り、平日昼間の2軍戦としては異例とも言える1600人超が声援を送りました。

くふうハヤテ―オリックス戦に詰めかけた観客=静岡市(写真:共同通信社)

 くふうハヤテはその後も4−10、1−7、3−8、3−3、3−15と引き分け1つを挟んで負けが続きました。しかも大差での敗北ばかり。7戦目でようやく2−0で阪神に勝利したものの、次の試合ではその阪神に1−15で敗北を喫するなど試練が続いています。

 一方、イースタン・リーグに所蔵するオイシックス新潟アルビレックスBCは、3月16日の対ヤクルト戦が初戦でした。敵地・ヤクルトの本拠地での試合は1−2で惜敗。その後も負けが続きます。初勝利は4連敗後の5戦目、西武2軍の本拠地での試合でした。

 オイシックス新潟は3月22日から地元に戻っての試合に臨んでいます。25日までの対戦では地元での初勝利をつかめていませんが、初戦は冷たい雨にもかかわらず、2000人の観客が詰めかけました。「日本海側にもプロ野球の球団を」という地元の熱を感じさせるスタンドでした。