4. MiG-29と搭載ミサイルの改良には限界
MiG-29を改良して、F-16に搭載可能な空対地ミサイルや空対空ミサイルを搭載できるようにすればよいという案もある。
一部は、改良され搭載されてはいるようだが、十分な性能を発揮できるのかというと、そうではない。
MiG-29はもともとロシア製であり、ロシアの指揮情報システムの中において戦う仕様になっていた。
例えば、遠中距離ミサイル発射では、発射から終末誘導まではGPSや慣性誘導方式で、終末誘導では赤外線画像誘導である。
GPSは、ロシアのグロナス測位衛星システムを使用する仕様になっていた。
これが、2014年から使用できなくなり、米国のGPSに逐次、乗り換えていたと考えられる。
今回、ロシア侵攻に間に合ったものもあれば、戦闘を行いつつ逐次換装していったものもあると考えられる。
換装していても、それらが十分に機能せず、不具合が多かったのではないかと考えられる。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、ロシア侵攻早々に戦闘機を供与してくれと熱望していたのは、自国の戦闘機が数的に劣勢であるのはやむを得ないにしても、ロシア軍の急所を必要に応じて攻撃できない歯がゆさがあったからだろう。