学習院大学のキャンパスに初登校され、最後の1年間を過ごされる愛子さま(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(つげ のり子:放送作家、皇室ライター)

学習院初等科の学校誌で執筆した「歴史上の人物」

 4月5日~10日、天皇ご一家はご静養のため栃木県の御料牧場に滞在され、微笑ましくも仲睦まじいご様子は、多くの国民の心を和ませてくれた。

 このご静養で大きく注目されたのが、なんといっても敬宮(としのみや)愛子さまであろう。両陛下が相好を崩されて笑いあう様子をご覧になり、つられて笑顔を弾けさせておられた。ご両親が楽しそうに喜ぶお姿を、愛子さまはいつものことのように受け取られていた様子に、ご一家が普段から笑顔を絶やさずに暮らされていることがうかがえる。

 そんな愛子さまも、学習院大学に進学されてからは、コロナ禍でずっとリモート授業を受けてきたが、ようやく4年生となられた今年春から、実際に大学へ通われてご学友とともに、直接、授業を受けられるようになった。

 最終学年の今年は、卒業論文の執筆に大半の時間を費やされるものと見られている。

 成績優秀で知られる愛子さまは、今、どんな分野に興味を持ち、どんなテーマで卒論をまとめるのだろうか。愛子さまの知的好奇心の萌芽から学生としての現在までに学ばれてきた世界を見つめてみたいと思う。

 学習院初等科では、生徒たちの作文や詩をはじめ、研究レポートなども掲載する『小ざくら』という学校誌を、年に一度発行している。過去には初等科に通学していた三島由紀夫の作品も掲載されたことがある歴史ある文集だ。

 愛子さまも、初等科卒業直前に配布された『小ざくら』の誌面で、自ら執筆された研究レポートを発表されている。

 それは平安時代中期に、朝廷の政務を執り行っていた中心人物である、「藤原道長(ふじわらのみちなが)」に関する歴史研究。まだ12歳の愛子さまが、知る人ぞ知る歴史上の人物に、なぜ興味をいだかれたのだろうか。