
歴史上には様々なリーダー(指導者)が登場してきました。その
「幼い時に褒め過ぎるのは、悪しきこと」
松平定信は、江戸時代後期の大名であり、徳川幕府の老中を務めた人物であります。高校の教科書などにも定信の名や事績が紹介されますので、その名を覚えている人も多いのではないでしょうか。いわゆる「寛政の改革」を推進した人物として、諸書に登場する定信。しかし、定信の改革は「世の中に蚊ほどうるさきものはなし ぶんぶ(文武)というて 寝てもいられず」「白河の清き流れに住みかねて もとの濁りの田沼恋しき」という狂歌で茶化されたことでも有名です。
それでは、その定信の生涯とはどのようなものだったのでしょうか。定信のリーダーとしての精神がよく分かる自叙伝『宇下人言』を中心に見ていきましょう。