1927年創業の老舗スーパー「成城石井」。首都圏を中心に、北は仙台、西は広島まで216店舗(2024年12月1日時点)を展開、輸入・食品製造から販売・飲食まで一気通貫の垂直統合モデルで独自のポジションをキープし、10年間で営業利益を4倍に伸長した。「食にこだわり、豊かな社会を創造する」という経営理念を掲げた同社の「強みの源泉」は何か。スーパーの肝ともいえる店舗運営と商品を管掌する早藤正史常務執行役員に聞いた。
世界各地の良品を自社で輸入
――商品に非常にこだわっているそうですが、成城石井が言う“いい商品”の条件とは何ですか。
早藤正史氏(以下敬称略) 一言で言えば、おいしくて、品質が良く、なおかつ独自性のある商品です。お客さまが成城石井に期待されているのも、そういう商品だと思います。もちろんいい商品は日本国内にもたくさんありますが、海外にもありますので、当社のバイヤーは欧米やアジア、オセアニアなど世界各地に行っていろいろな商品を見つけ出し、買い付けています。
食品として出来上がった製品だけではなく、食材や原料も買い付けて、輸入専門子会社の東京ヨーロッパ貿易が輸入しています。その量は年間で40フィートのコンテナでおよそ1000台に及びます。 それらを使って惣菜など、オリジナル商品を作っています。そうした商品は当社の店舗で販売する以外に、卸売として全国のスーパーや飲食店などにも販売しています。
今、全国には「成城石井コーナー」を設けてくださっているスーパーなどが約2000店舗ありますが、そのコーナーで販売しているのが当社の開発したオリジナル商品です。
――いい商品の価値を店舗で顧客に伝えるために、どのような工夫をしていますか。