アパレル大手のワールド(WORLD)が展開するメンズ・レディースのセレクトショップ「ドレステリア(DRESSTERIOR)」が2022年から2年連続過去最高益を記録し好調だ。ドレステリアは26年の歴史をもつ老舗ブランドだが、実は2020年までは慢性的な赤字状態にあったという。そんなブランドを再生させたのが、かつて「バーバリーブラックレーベル」を立ち上げ人気ブランドに成長させたワールドグループ執行役員の靏博幸氏。2020年にドレステリアのトップに就任し、高収益のブランドに変身させた。ドレステリア再生の施策について同氏に話を聞いた。

ワールドが万年赤字ブランドを「残した」理由

──元々、ワールドグループの中でもドレステリアは非常に厳しい立ち位置にあったブランドだったとのことですが、再生させる上でどのような点を重視したのでしょうか。

靏博幸氏(以下敬称略) ドレステリアは1998年に誕生したセレクトショップですが、黒字を記録したのは2007年の1年のみ。2020年まで慢性的な赤字状態にあったブランドでした。

 2015年からワールドグループが構造改革を行っていく中で同ブランドの店舗も少なくなり、最大30店舗ほどあったショップが2019年には9店舗にまで落ち込んでいました。

 こうした状況の中、ワールドとしてはドレステリアのブランド廃止を考えることも合理的でした。ですが、当社は大規模な「リブランディング」を行うことで、ブランド再生を狙ったのです。