3年ぶりに実施された2023年の新年一般参賀。天皇皇后両陛下の長女愛子さまが成年皇族として初めて参加されたことが大きな話題となった。だが、ネット上では一部の有識者を含め、首をかしげざるを得ないような批判もあった。国民統合の象徴として常に注目される皇室と国民との関係はどうあるべきか考えてみたい。
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ネット上で話題になった「立ち位置」議論
(宇山 卓栄:著作家)
1月2日、新年の一般参賀が3年ぶりに開催されました。成年皇族として初めて一般参賀に臨まれた愛子さまに注目が集まりました。愛子さまは淡い水色のロングドレスをお召しになり、初めてとは思えない堂々たる風格と品格でお出ましになったのです。
ところが、この一般参賀で、愛子さまが「立ち位置を間違えた」と断定している人たち(有識者を含め)の声がネット上で散見されました。皇位継承順位1位の秋篠宮さまよりも天皇陛下に近い中央に立つことはおかしいという理屈のようですが、いったい何を根拠に、そんな断定をしたのでしょうか。
今回、家族ごとで皇族方は立っておられました。天皇御一家が中央に位置し、向かって左側に上皇御夫妻が、右側に秋篠宮御一家が立たれました。愛子さまが皇后陛下の横に立たれたのは何もおかしいことではありません。
愛子さまは天皇陛下の向かって左側に立つべきだったとの指摘がありました。平成の御代の一般参賀では、天皇皇后両陛下の向かって左側に皇太子御夫妻、向かって右側に秋篠宮御夫妻が立っておられました。愛子さまが天皇陛下の左側に立つと、愛子さまがお世継ぎに見えてしまいます。そういうことを配慮して、宮内庁が天皇皇后両陛下の向かって右側ということにしたのではないかと推察されます。
愛子さまは上皇御夫妻の向かって左側に立つべきだったという指摘もみられました。しかし、ご家族が離れて立つというのも不自然な話です。