成年皇族として活動される愛子さま。写真は1月2日に開催された新年の一般参賀(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(宇山 卓栄:著作家)

女性皇族と結婚した後も民間人のままなら…

 愛子さまが旧宮家・賀陽家の御令息と交流なさっているとの報道が続きました。先のことは誰もわかりませんが、愛子さまのご結婚も遠い将来のことではないのかもしれません。

 本来ならば、眞子さまご結婚の時のように、愛子さまも皇籍から離脱されることになります。皇室の安定的な存続が大きな課題となるなか、愛子さまがご結婚された場合、どうなるのかを想定し、政治が責任を持って、然るべき制度設計しておかねばなりません。

 皇位継承を巡る政府の有識者会議が2021年12月22日、政府に提出した報告書の中には、「内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持する」との案があります。実際に法制化されれば、愛子さまはご結婚後も、皇族のまま留まることができ、皇室の一員として両陛下に接することもできます。

 問題となるのはご結婚相手の処遇についてです。

 有識者会議の案の付帯文には、「女性皇族の配偶者や子は皇族の身分を保持しない」と記されています。愛子さまのご結婚相手は民間人のままで、皇族にはなれず、将来、お生まれなった御子も皇族にはなれないとされているのです。つまり、夫婦間でお立場の違いが生まれることになります。

 この違いは決して小さなものではありません。