皇族費を民間人が使うことになるが

 例えば食事をされる時にも、厄介な問題を引き起こします。自分が食べた分に応じて各自が食費を負担せねばなりません。皇族は皇族費などの予算によって、生活に必要な資金を拠出されます。これは厳密なもので、民間人が皇族費を費消することはできません。

 生計を一にする夫婦がこのように、予算を区分することなど、できるでしょうか。同じ釜の飯を3分の2食べたのか、3分の1食べたのか、いちいち計算できるでしょうか。

 お住まいについても、皇族でない配偶者が公的な財産である御用地に原則、住むことはできません。それでも、配偶者に住まわせることにすれば、家賃など、何らかの支払いを請求することになると考えられます。

 さらに、厄介なのは、配偶者の職業選択の自由に関する問題です。仮に、配偶者が政治家であればどうなるのか。皇室が政治的に利用されることになりはしないか、 皇室の中立性が失われることがあるのではないか、といった問題が生じます。

 民間人である配偶者には、言論の自由があります。皇族の配偶者という立場で、もし特定の党派に偏った政治的発言が積極的になされれば、やはり、問題です。

 配偶者が企業の勤め人でも、企業のイメージに影響を与えかねません。だからといって、配偶者の職業選択の自由に制限をかけることは難しいと思われます。選挙権も被選挙権も保障されます。

 また、皇族には苗字がないため、皇族女性だけが家族の中で、苗字がない状態になります。