そもそもなぜ民間人男性は皇族になれないのか

 配偶者が民間人のままで、皇族女性が皇族のまま留まるというのは、実際の生活に直面すれば様々な問題が生じ、口で言うほど、簡単なことではありません。

 女性皇族の配偶者も皇族にすべきという見解もあります。そうすると、眞子さまのご結婚の例の場合、小室圭氏が皇族になり、「圭殿下」と呼ばれ、産まれる子が皇族となり、将来、天皇になる可能性も生じてきます。

 古来、今日に至るまで、民間の男性を皇室に迎え入れ、皇族にした例は一度もありません。こうしたことは先人の知恵として、男を皇室に入れると何をするかわからないという男性不信論に基づき、男性皇族の伴侶として女性だけを皇室に入れるという男系継承の不文律が維持されてきたのです。

 この点に関して、一昨年の有識者会議で、非常に興味深いやり取り(2021年5月10日)が以下のようにありました。

◆会議メンバーからの質問
「皇室と全く無縁な民間人成年男子がいきなり皇族となり、皇室に入ってくる危険とおっしゃる点について。逆に、皇室と全く無縁な民間人女性が婚姻によっていきなり皇族となり、皇室に入ってきているわけである。そちらは危険ではなくて、男子が入ってくると危険というのは、どのような考え方によるものか」

◆ヒアリングに応じた専門家(男系派)の回答
「確かにそう言われるとちょっと窮するところもある。上手く説明できないが、道鏡などの例もあり、歴史的にもそのように考えられてきたのではないか。もちろん皇族以外の男子が皇室に入ってくること自体、男系の皇統を脅かす危険があると考えたからだと思うが」