「いつでも、どこでも、誰にでも、確かな情報や豊かな文化を分け隔てなく伝えることを基本的な役割として担っている」

 これを理由に、NHKは「受信設備を設置した人に公平に受信料を負担してもらっている」としています。受信料が収入の約97%を占めており、受信料徴収の根拠は端的に言えば「公共放送を維持すること」です。「公共放送」が受信料徴収の「錦の御旗」になっているので、曖昧模糊でも釈然としなくても、「NHKは公共放送である」ということが何より大事なのです。

約2割が不払いという不公平さ

「NHK?」「受信料!」

 ヒントに対して思い浮かぶものを答える、かつての人気番組『連想ゲーム』でのやりとりのように、NHKと言えば受信料、両者は一体のものとして捉えられてきました。

 受信料はNHKと国民をつなぐものですが、時に裁判沙汰になるほど問題の種になってきた歴史があります。

 問題の一つは、真面目に支払っている人が馬鹿を見るような不公平さです。

 NHKは「公平に負担してもらっている」と説明していますが、実際は約2割が不払いです。全国平均では5世帯に1世帯が、東京都や大阪府では3世帯に1世帯が払っていないということです。この不公平の実態は看過できず、制度として問題があると言わざるをえません。