大ヒットしたネットフリックス向け韓国ドラマ「イカゲーム」(写真:ZUMA Press/アフロ)

(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)

 韓国文化産業におけるグローバル市場の規模を、2030年までに300兆ウォン(約30兆円)にまで引き上げる——。

 韓国次期大統領として最有力視されている李在明氏が18日、自身のSNSで明かした公約だ。東アジアや欧米を中心に韓国文化(いわゆるK-カルチャー)のコンテンツが旋風を巻き起こして、韓国の文化産業の規模が急速に拡大してきたという印象は、確かに強い。現在その経済規模は100兆ウォンほどで、それを今後5年間で、一気に3倍にまで膨れ上がらせるという。

 李氏が具体的に挙げているジャンルは、K-フード、K-ビューティー、K-ポップ、K-ドラマ、K-ウェブトゥーンの5つ。大統領選に向けて所属政党である革新系の「共に民主党」で候補者選びが進むなかでの発表というタイミングからして、文化産業の成長は、李氏の経済政策における一丁目一番地として理解すべきである。

 ちなみに、ブルームバーグの報道によれば、韓国文化のグローバル市場は2030年までに200兆ウォンに達すると見込まれている。つまりこの分野の成長は十分に可能性があるのだが、李氏のプランはブルームバーグ予測より成長速度をさらに高める必要がある。期待が大きいとはいえ、はたしてそんなことが可能なのだろうか。

 ここで李氏が挙げた5つのジャンルの現状について、今後の人気が見通せるものから簡単に見てみよう。