
(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)
李在明(イ・ジェミョン)氏の大統領就任が現実的になってきた。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾審判の最終弁論が今月25日となり、来月半ばまでには判決宣告の見通しとなったからだ。
目下のところ状況を覆すような発言は見当たらず、弾劾が宣告される可能性が高い。そうなれば、大統領選挙が5月半ば前後に実施され、翌日には新大統領が就任する。
李氏はダントツでその最有力候補と目されてきた一方、司法リスクがあるため次期大統領は難しいのではと言われてきた。疑惑が多く5つの刑事訴訟を抱えている。
有罪が確定した者は5年間公職に就けなくなるという規定がある。大統領選挙前に最高裁で有罪判決が下されると、李氏は次期大統領への道が完全に閉ざされてしまう。
李氏の刑事訴訟で最速のものは現在2審であり、その判決が3月半ば以降と言われている。それからすると、最高裁判決は6月になると見込まれる。ただし、韓国の大統領には 「不訴追特権」があり、李氏が大統領に就任した場合には、内乱罪を例外として、刑事事件で罪を問えなくなる。
とはいえ、李氏が大統領になるまでにはいくつものハードルがある。