李在明氏、支持獲得へなりふり構わず

 世論調査の結果をみると、国民の過半数は尹大統領の弾劾成立を望んではいるものの、李氏の支持率は30~40%台で頭打ちになっている。21日に発表された韓国ギャラップの調査でも34%と低迷しているほか、韓国世論評判研究所と現地メディアのアジアトゥデイの共同調査では、尹大統領の支持率が47%で、李氏の支持率44%を上回っていた。

 このような国民からの不人気感が漂うなか、李氏は自身について「中道保守」だと発言して波紋を呼んでいる。この発言に対し、自身が代表を務める「共に民主党」からは、党としては「中道進歩」だとの声が直ちに挙がった。

弾劾審判を受ける尹大統領(写真:新華社/アフロ)

 李氏と言えば日本では反日の言動でその名が知られているが、これまでは反日だけではなく反米の姿勢も崩さなかった。それが昨年末あたりから「日本には愛情がある」とか、「トランプ大統領にノーベル平和賞を」など、親日、親米の発言を続けている。その挙句の「中道保守」発言だ。

 そのカメレオンぶりについては前回の記事で詳細を報告したが、ここでもう一度指摘しておきたいのは、自分の有利に働くと踏めば何でもやるという李氏の性格だ。実際に今回の発言についても、大統領選で勝利するために中道保守派から支持を集めようとしていると分析されている。

 カメレオンに劣らぬ変化(へんげ)を得意とするのだから、李氏の本心は読みにくい。日韓関係に絞って言えば、親日と反日をうまく使い分ける大統領が誕生すると見込んでおくべきだ。とはいえ、その軸足は、これまで本人がアピールしてきたように、反日に置かれることになるのだろう。