昨今、食費や光熱費の値上げが相次ぎ、家計が悲鳴を上げているうえに、今後、防衛費や少子化対策費などによる、「異次元」の負担を課せられることを覚悟しなければなりません。そんな中で受信料問題は、切実な家計の問題としても浮かび上がってきます。

 サブスクサービスが広がっているように、見たい映像コンテンツに対して個別に料金を支払う機会が増えている時代です。それだけに、NHKを見る見ないに関係なく受像機(テレビ)を持っていることで受信料を支払う義務があるという理屈には、やはり疑問を抱く人は多いのではないでしょうか。受信料の金額の多寡ではなく、そもそも税金のように負担する仕組みに納得がいかないのです。

契約総数は2年間で100万件減少の見通し

 NHKの事業計画によると、受信料収入は2022年度の6700億円から、2023年度は6240億円になり、460億円もの大幅減少となる見込みです。これは契約件数の減少と今年10月に予定している値下げの影響だということです。

 契約総数についてみてみましょう。2021年度は4155万件でした。2022年度は4112万件、2023年度は4054万件と見込んでいます。2年間で100万件の減少を想定していることになります。

 日本は国民の6人に1人が75歳以上の超高齢化社会で、年間80万人の人口が減る多死社会でもあります。人口減少は契約件数の減少につながる悩ましい課題です。

 このように受信料制度は難題山積で、今まで以上に仕組みの特殊性が浮き彫りになっています。そして納得感は小さくなり、むしろ反発心が強まっているようです。