体育会出身者に対する「拡大解釈」「過大評価」は根強い(イメージ写真:WavebreakMedia/イメージマート)

岸田政権は、長らく低迷する日本経済の活性化策の一つとして「人材への投資」を打ち出した。「新しい資本主義」の実行計画では3年間で4000億円を投じるという。「投資」と言えば、新卒・中途に限らず企業が人を採用することは投資そのものだ。 しかし、どういう人材を獲得すれば「正解」なのか、確実な方法論はない。正解だと思っても、それは実は「バイアス」にとらわれているかもしれない。あなたの会社では「先入観」や「思い込み」を基に社員を採用していないだろうか? 

(岡部 隆明:就職コンサルタント、元テレビ朝日人事部長)

 ここに新卒採用の「エントリーシート」が2枚あります。「学生で力を入れたことは?」の欄を見てみると・・・

Aさんは「体育会ラグビー部の主将としてチームを牽引したこと」
Bさんは「無名だったアイドルがメジャーデビューするまで追いかけ続けたこと」

と書いていました。

 あなたが選考する立場だったら、どちらを選びますか?

 多くの人がAさんを選ぶのではないでしょうか。

「Aさんは体育会だから体力はあるし、協調性もあって、主将でリーダーシップも期待できるから・・・」。おおむねそういう理由でしょう。