森の中の水族館。
“湧水かけ流し”という究極の水槽
■森の中の水族館。(山梨県立富士湧水の里水族館)
山梨県南都留郡忍野村忍草3098-1
2001年開館
設計:トライポッド・アーキテクツ+飯田都之麿+湯沢誠
交通:富士急行線・富士山駅からバスで20分、さかな公園下車徒歩3分
http://www.morinonakano-suizokukan.com/
透明度の高い富士の湧水(ゆうすい)を使用した淡水魚専門の水族館である。開館は2001年。設計は、1997年に行われた設計コンペで当選した「トライポッド・アーキテクツ+飯田都之麿+湯沢誠」が担当した。
設計チームは、テーマパーク化が進む水族館に疑問を感じ、環境そのものの理解を深める「環境カプセルとしての水族館」を目指した。そうした意図は、入り口を入ってすぐの「横見水槽」を見れば説明を聞かずともわかる。
一見、自然光を取り入れた屋内水槽に見えるが、よく考えると、水面の向こうは屋内ではない。これはアクリル板を隔てて、外の池の断面を見ているのだ。この施設は、この展示も含めて、ろ過設備を一切使っていない。いわば富士の湧水の“かけ流し”。湧水の透明度の高さに驚かされる。この水槽は、ろ過設備もガラス屋根も使わない究極の自然光水槽といえそうだ。