2.化学兵器を使用したアサド政権
シリアで化学弾が使用された最も衝撃的な例を紹介する。
内戦が続くシリアの首都ダマスカス郊外で、2013年8月21日化学兵器である神経剤のサリンが使用され、市民に多数の犠牲者が出た。
海外ニュースでは、サリンによる死者や痙攣して苦しむ傷病者の動画が映し出された。絶対に使用してはならない大量破壊兵器が使用されたのだ。
被害者を受け入れ手当した国境なき医師団は、「首都の病院3カ所に神経毒性の症状を訴える患者計約3600人が搬送され、355人が死亡した」と発表した。
患者が8月21日朝の約3時間に、次々と搬送されてきた。痙攣や瞳孔収縮、呼吸困難などの症状に加え、救助者も「汚染」されたことから、神経毒性のある物質に大規模に晒されたことが強く示唆された。
英国に拠点を置く反体制派のシリア人権監視団は、死者に女性82人、子供54人が含まれると指摘した。
AFPによると、「シリアの首都ダマスカス近郊で、朝の5時頃、化学剤を搭載したロケット弾を使い、町を攻撃した(誰が実施したのかは明らかにされなかった)」と報じた。
AFPの写真やテレビ映像を見ると、傷が全くない遺体が並べられ、痙攣して意識をなくしている様子や泡を吹いたような痕跡が見られた。
また、取材に応じた活動家は、「遺体は青ざめていて皆、窒息していた」と語った。
私が見た映像には、傷がない青白い子供たちの死体が並んでいた。衝撃的であった。