米国は無人機100機をウクライナに供与することを決めた(写真は米空軍の「MQ-9」2021年9月1日撮影、米空軍のサイトより)

 ロシア海軍太平洋艦隊は、3月10日、3月14日、3月15と16日、艦艇を活動させた。この時期にしては、かなり異常なことだ。

 なぜなら、オホーツク海は流氷で活動が制限されており、通常であれば、ウラジオストク付近では、小規模の春季訓練しか行わないはずだからだ。

 それなのに、オホーツク海~千島列島東部海域~ペトロパブロフスク沖まで進出して活動したと思われる。

 さらに、極東の端の地域からも兵員・兵器の輸送を行っているようなのだ。

 ウクライナから遠く離れた極東方面軍、太平洋艦隊でも活動を活発にした海軍の動きは、極東正面から戦力を抽出した後に、米国・日本から攻め込まれないような態勢をとるように、ウラジーミル・プーチンや軍最高司令部からの命令があったからであろう。

 では、極東方面での艦艇の動きについて、3つの特色があるので、活動内容と狙いについて考察する。

1.3月10日戦闘艦艇10隻の行動

 まず、ウダロイⅠ級駆逐艦1隻、ステレグシチーⅡ級フリゲート艦4隻、グリシャ級小型フリゲート艦2隻、補給艦1隻、潜水艦救難艦1隻、航洋えい船1隻の動きだ。太平洋方面から津軽海峡を通過して日本海に入った。

 特異な艦が随伴することで、軍艦の活動の狙いが分かるので、写真で紹介する。

(* 本記事は多数の写真と図を掲載しています。配信先のサイトで写真と図が表示されていない場合はJBpressのサイトでご覧ください。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69335

イゴリ・ベロウソフ級潜水艦救難艦

出典:防衛省統合幕僚監部公表資料

ソルム級航洋えい船

出典:防衛省統合幕僚監部公表資料

 これらの艦は2月、オホーツク海に入ったものが、千島列島を通過して、太平洋に出て、そして津軽海峡を通過して日本海に入り、ウラジオストク港に帰投したものだろう。

 戦闘艦艇7隻は、オホーツク海や千島列島沖の海域で、海軍の演習を行ったと考えられる。

 この時期は通常、ウラジオストク沖で小規模の訓練を実施するのだが、ソ連が崩壊後、春に千島列島の東海域で演習を行ったのは極めて異例のことである。