キエフ近郊で対戦車ミサイル「NLAW」の使い方を習うウクライナ兵士(3月9日、写真:AP/アフロ)

 ウクライナの首都キエフへの総攻撃が間近に迫っている(この記事が掲載された時は、開始されているかもしれない)。

 米国防総省によれば3月7日、ウクライナに侵攻したロシア軍が国境周辺に展開していた戦闘部隊のほぼ100%をウクライナ国内に投入したという。

 また、首都キエフに向けて南下しているロシア軍の部隊について、ウクライナ軍の抵抗もあって動きが停滞しているとしたほか、ウクライナ軍は今も多くの航空戦力を維持し、制空権をめぐる攻防が続いているとの認識を示した。

「自分は死ぬかもしれないが、国境を越えてきたロシア兵を生きてロシアには返さない」というウクライナ兵が多いという。士気はかなり高いようである。

 ウクライナの各都市が爆撃される状況を見ていると、「ロシア兵を生きて返さない」実現性は、限りなく小さいように見えるが、私は「ある」と信じたい。

 では、その「ある」という根拠は何か。以下の6つの視点で考察する。

①ロシア軍が全正面から攻撃する侵攻戦略の不利

②ウクライナ軍の内戦作戦の利

③侵入してきたロシア軍の退路を遮断する作戦

④キエフを死守する戦闘戦術

⑤ロシア軍のミサイルを発射させない情報発信

⑥世界中の誰もが見ることになるキエフの攻防戦