撮影:酒井俊春

 2024年11月、食品卸大手の三菱食品が自社の物流部門を独立させる形で、物流会社、ベスト・ロジスティクス・パートナーズ(BLP)を設立した。BLPはこれを機に、食品以外の物流事業にも参入する構えだ。なぜこのタイミングで物流子会社を発足させたのか、どのような物流ビジネスを構築していくのか。三菱食品の執行役員 SCM(サプライチェーン・マネジメント)統括 統括オフィス室長でBLPの代表取締役社長に就任した小谷光司氏に聞いた。

2024年問題が引き金に

──三菱食品が100%出資の物流子会社、BLPを設立した目的は何でしょうか。

小谷光司社長(以下敬称略) 元をたどれば物流の2024年問題に端を発しています。三菱食品は食品の卸売事業が主力ですが、以前から小売業のお客さまを対象に物流事業を行っていました。これはかなり長い歴史があります。

 一方で2024年問題が顕在化してきた3年ほど前からは、食品メーカー向けにも物流サービスを提供するようになっていました。人手不足やコストアップなどを背景に、それまでの物流を維持するのが難しくなってきた食品メーカーが増えてきたため、三菱食品がそうしたメーカーの物流を受託させていただくようになったのです。

 念のために申し上げれば、三菱食品の物流事業は、ドライバーを雇用したり車を調達したりということはしておりません。荷役や配送といった実際の作業は、全国約400社の物流パートナーに委託しています。

──そのビジネスモデルはBLPにそのまま引き継がれるのですか。