丁度そこに学生風の青年が通りかかった。すると2数人の兵士が青年を取り囲み脇道へ引っぱり込んだ。頭を小突きながらポケットを探っている。
そのやりとりはこんな風に想像された。
「身分証は? おまえはどこから来た? 北京じゃないだろう。学生だな!」
「いや、学生じゃありません。出稼ぎにきて故郷に帰るところです」
青年は兵士と目線を合わせない。弱々しく答えていたが、そのまま連行されて行った。
少し離れていたので思い切ってカメラを取り出し、ノーファインダーで2、3枚撮った。見つかればアウトだが、なんとかセーフだった。
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