(柳原 三佳・ノンフィクション作家)
新型コロナウイルスが日本に上陸してから2度目の受験シーズンが到来しました。受験生とそのご家族にとっては、日々、大変な緊張の連続だったことでしょう。
そんな中でも、この時期になると注目を集めるのが、「東大合格者数の高校別ランキング」ですね。
ちなみに、2021年の結果は、以下の通りでした。
1位 開成 144名
2位 灘 97名
3位 筑波大附駒場 89名
4位 麻布 85名
5位 聖光学院 79名
2位以下の高校は毎年順位が変動するものの、1位の開成は40年間にわたって首位独占、不動の地位を築いてきたのです。
幕末に2度の世界一周
ペンと剣のシンボルマークとともに、「質実剛健」「文武両道」の男子校として全国にその名を知られている開成。この学園の創立者こそが、本連載の主人公である『開成をつくった男、佐野鼎(さのかなえ)』です。
佐野鼎が学校をつくったのは、今から150年前、1871(明治4年)にさかのぼります。正確に言うと、当時は「共立(きょうりゅう)学校」という名称でした。
共立学校設立までの経緯や佐野の人物像については、本連載の第1回目、<昔は男女共学だった開成高校、知られざる設立物語 『開成をつくった男、佐野鼎』を辿る旅(第1回) https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55466>にも書いた通りです。