(柳原 三佳・ノンフィクション作家)
新型コロナウイルスの感染拡大によって、飲食業をはじめとするさまざまな業種が苦しい経営を強いられています。しかし、その一方で、「新型コロナ対策」という名のもと、順調に売り上げを伸ばしている製品もあります。
そのひとつが「自動水栓」です。
感染症対策で「自動水栓」の需要増加
手を差し出せば自動的に水が出てくるこの製品は、ウイルスが付着した手で蛇口のカラン(レバー)をひねる必要がないので、感染対策には非常に有効だとされています。
実際に、洗面所の蛇口を介してクラスター感染が発生したケースも報告されており、東京都をはじめとする多くの自治体では、公共施設で自動水栓への入れ替え作業が進んでいるようです。
6月8日にはこんなニュースも報じられました。
新型コロナ対策中心に総額約72億円 6月補正予算案を発表【佐賀県】(サガテレビ)https://www.sagatv.co.jp/news/archives/2021060806178
佐賀県では保育園・幼稚園、高校などの県有施設や私立学校などでの感染リスクを抑えるため、子供たちが集団で過ごす場所の水道の蛇口を自動水栓に切り替えることになったというのです。その費用として2億6000万円の補正予算が計上されるそうで、これもまさに、新型コロナ需要のひとつと言えるでしょう。