会見でにじんだホンダ経営陣の自信

 あれから2年8カ月が経ち、今回の「2026 ホンダ×アストンマーティン  アラムコ F1 チーム ニューパートナーシップ始動発表」となったわけだが、三部社長のプレゼンテーションの中身は、多様な量産技術へのフィードバックや技術者の育成など、大筋で2023年5月の会見内容と同じだった。

ホンダ三部敏宏社長(写真右)、アストン・マーチンのローレンス・ストロール会長(写真左)、F1のステファノ・ドメリカリ会長(写真中央、写真:筆者撮影)

 それでも前述したように、三部社長を含めたホンダ幹部の表情に固さはなかった。

 背景にあるのは、ホンダが過去3年弱で直面した多くの経営課題を乗り越えてきたという自信、さらには経営課題を乗り越えるための社内コンセンサスが取れているというホンダ経営陣の自信の現れなのではないだろうか。

 具体的な経営課題とは、日産との経営統合に関する協議やトランプ関税などだ。

 技術論だけでは解決できない、世界を舞台にした政治や経済活動の動乱のなかで、ホンダ経営陣はこれまで、短期間での経営判断を迫れられ続けてきた。

 大きな時代の変化の中で、ホンダとして「F1参戦の意義」が明確になったのだと、今回の会見を見ながらそう感じた。

ブリティシュグリーンに彩られた、アストンマーティン×ホンダのF1マシンのデモカー(写真:筆者撮影)

 さらにホンダの重要市場である米国において近年、女性や若い世代にF1人気が広がっていることも、販売やマーケティングの視点で、F1復帰の整合性を高めたと言える。