YKK AP専務執行役員CHROの西田 政之氏(撮影:榊水麗)
建材大手のYKK APは、2025年10月に新人事戦略「Architect HR」を策定した。同社は、グローバル事業の強化に向けさまざまな人事改革に着手している。その旗振り役として、2025年6月にCHRO(最高人事責任者)の職に就いたのが西田政之氏だ。金融業界からキャリアをスタートし、ライフネット生命、カインズ、ブレインパッドといった事業会社で人事部門のトップとして変革を主導してきた。新天地であるYKK APではどのように改革を進めるのか。その構想を聞いた。
伝統的な日本企業ならではの組織課題
──西田さんはこれまで複数の事業会社でCHROなどの要職を歴任してきました。その次のキャリアとして、なぜYKK APを選んだのですか。
西田 政之氏(以下、敬称略) 理由の1つは、YKKグループに浸透している「善の巡環」の精神に強く共感したからです。「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」という考えで、グループにおける全ての事業活動の基本に据えられています。これは素晴らしい強みで、私も富山・黒部にあるYKKグループの展示館 を訪れ、これまでの歴史や創業者・吉田忠雄の経営理念に触れて目頭が熱くなるほど感動しました。
併せて、YKK APが直面している組織の課題を聞く中で、この企業で新たなチャレンジをしたいという思いを強くしました。ちょうど私はこれからの「生きる意味」を探している時期で、自分なりのキャリアの集大成として「伝統的な日本の大企業で、人と組織の力を再構築して未来の成長を描く」ことに挑戦したいと強く思ったのです。
──YKK APが抱えていた組織課題とは何でしょうか。






