なぜホンダはF1に復帰するのか
次世代技術に向けた社内組織改革や、それに伴う技術の進化が3年弱で実現するとは考えにくい。「なぜ、この時期にホンダはF1に復帰するのか」という声が、ホンダの社内外から上がった。
三部社長はF1復帰の理由について、「F1が、ホンダの目指すカーボンニュートラルの方向性に合致する」と説明した。
確かに、2026年からの新しいF1車両規定では、100%カーボンニュートラルを使い、電動化についても、それまでの3倍の出力を必要とする次世代ハイブリッドシステムに移行する。
また三部社長は、2021年4月の社長就任会見の中で、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、「2040年にEV・燃料電池車の販売比率をグローバルで100%」にするという志を示している。
とはいえ、2年7カ月での方針転換について、2023年5月時点では、ホンダ社内外で賛否が分かれるのは当然だと、筆者は思った。
実際、F1復帰に関する記者会見で筆者が三部社長に対して「今回のF1復帰において、ホンダの事業としてのKPIは何か?」と聞いてみた。三部社長の答えは、「F1技術は多様な分野にフィードバックができる」という、歯切れの悪い内容だった。