マドゥロ氏、石油取引の通貨を人民元に

 トランプ政権1期目の2017年、マドゥロ氏は「米ドルの支配から解放されるため」として石油取引の際の通貨をドルから人民元に切り替えると発表しました。国際経済におけるドルの影響力を弱めたい中国と連携した政策を打ち出したのです。

 さらにマドゥロ氏は2023年、中国やロシアなど非米国勢力の「BRICS」に参加する意向を表明しました。2024年のBRICS首脳会議で創設された「パートナー国」にベネズエラは含まれませんでしたが、中国は加盟を支持する意向を示しています。

 現在、ベネズエラが輸出する原油の8割は中国向けで、中国は最大の輸出国となっています。米国のベネズエラ攻撃は、こうした中国とベネズエラの関係を断ち切る狙いがあるのは間違いありません。

 ベネズエラの石油埋蔵量は3000億バレルを超え、世界第1位です。

 ところが、ピーク時の1960〜70年代に1日当たり350万バレルあった原油生産量は現在100万バレルを割り込むところまで落ち込んでいます。世界の原油生産のわずか1%ほどです。生産に必要な施設や電力などのインフラ不足が原因とみられます。

 トランプ氏は「アメリカには世界最大の石油会社があり、ベネズエラに何十億ドルもの金を投資して、壊れたインフラを立て直すことができる」と述べ、米国が再びベネズエラの石油利権を手に入れることに意欲を燃やしています。果たしてその通りに進むのでしょうか。