良品計画 取締役上席執行役員 EC・デジタルサービス部、マーケティング部、ITサービス部 管掌の宮澤高浩氏(撮影:榊水麗)

「無印良品」を展開する良品計画が、2021年に掲げた「第二創業」の下、商品数の拡大や地方大型店の出店、電子商取引(EC)・デジタル施策の刷新を進め、2025年8月期には営業収益・利益共に過去最高を更新した。背景には、1万点超の商品構成に対応する発信体制の再編や、スマートフォンアプリ(「MUJI passport」から「MUJI アプリ」)の改修による顧客理解の深度化がある。V字回復を支えるマーケティング・DXの実像と狙いを、取締役上席執行役員の宮澤高浩氏に聞いた。

「第二創業」がもたらしたV字回復の真因

――良品計画は2021年9月の中期経営計画で、「第二創業」の文言を掲げました。商品・店舗戦略において具体的にどのような変化がありましたか。

宮澤高浩氏(以下、敬称略) 無印良品は1980年の創業以来、長年にわたってお客さまの支持をいただいてきました。ところが近年は、出店が進まない、画期的な新商品が生まれにくいといった停滞感が社内にありました。その状況を打破するために、2021年に社長に就任した堂前(宣夫前会長)が掲げたのが「第二創業」です。

 この「第二創業」期においてまず注力したのが、品ぞろえの拡大です。特に売り上げ1000億円を突破した「ヘルス&ビューティー」は急成長のカテゴリーで、中でもスキンケア商品は、成分へのこだわりと価格のバランスが評価され、若い男性など新しい層にも支持されています。