Sergey Lavrentev / Shutterstock.com
情報処理推進機構(IPA)の調査によると、DXで「成果が出ている」と答えた企業の割合は欧米が80~90%に対し、日本は約58%。成果内容も欧米企業が「利益増加」「売上高増加」「顧客満足度向上」といったバリューアップが中心なのに対し、日本企業は「コスト削減」の割合が突出して高い。DX投資額は増え続けているにもかかわらず、なぜ「トランスフォーメーション」といえるほどの成果が出ないのか。『BCGが読む経営の論点2026』(ボストン コンサルティング グループ編/日経BP)から一部を抜粋・再編集。DXを阻む構造的な課題を探る。
日本のIT・DXの現状
『BCGが読む経営の論点2026』(日経BP)
日本企業のIT投資額は年々右肩上がりで増え続けている。これは、多くの企業がレガシーシステム対応とDXの二重投資を迫られていることに起因すると考えられる。
レガシーシステム対応とは、ERP(Enterprise Resource Planning:統合基幹業務システム)を含む基幹システムの刷新で後手に回っていた企業が、システムの老朽化に伴い、対応を迫られているというものだ。
2025年6月に公開されたIPA(情報処理推進機構)の「DX動向2025」では、日本企業の30%程度が自社のシステムについて「ほとんどがレガシーシステムである」もしくはその程度すら「わからない」と回答しており、欧米(米国、ドイツ)と比して10%以上高い数字となっている。
また、ここ数年間過熱しているDXブームのなかで多額のデジタル投資を行っているものの、日本企業のDXはそこまで進んでいないのが実状だ。実際に、IPAの同調査でDXの成果が出ているかという質問に対し「成果が出ている」と答えた企業の割合は、欧米が80~90%であるのに対して、日本は約58%にとどまっている(図表5-1)。









