写真提供:ロイター/日刊工業新聞/共同通信イメージズ

 エヌビディアが従業員5万人に対して1億体、ソフトバンクグループが10億体のAIエージェントを配置する計画を進めている。自律的に業務をこなす「デジタル従業員」が大量に活躍する時代、企業の組織構造は従来のピラミッド型から透明性の高いアジャイル型へと変化し、人間とAIの役割分担が明確になっていく。こうした変革に対応した「AIファースト企業」とはどのような姿なのか。『BCGが読む経営の論点2026』(ボストン コンサルティング グループ編/日経BP)から一部を抜粋・再編集。AI時代の組織変革の本質を探る。

AIエージェントとフィジカルAI

BCGが読む経営の論点2026』(日経BP)

 AIのユースケースの多様化と複雑化は、人間とAIの関係を変える。これまでのAIは人の質問に答え情報提供をしながら、人間の「思考パートナー」として機能してきた。行動の主導権を握るのはあくまでも人間であり、AIは意思決定をサポートするという関係だ。

 ところがAIエージェントやフィジカルAIの進化に伴い、行動の部分もAIが担う世界へと移行しつつある。

 どれだけAIが進化しようと、意思決定が人間の仕事であることは変わらない。しかし、AIが人間に代わってオペレーションを担うにつれ、人間の仕事の大部分はAIの仕事を監視し、必要に応じて介入するという管理業務へと比重が移っていく可能性が高い。従来の組織のあり方を根本から見直さなければならないほどの変化が、すぐそこまで来ている。

AIが従業員になる時代の組織構造

 自律的に仕事をこなすAIが大量に活躍する時代、企業の組織構造がそのままではいられないことは直感的にも理解できるだろう。この変化に対応した企業とは、どのような姿になるのだろうか。