写真提供:ロイター/日刊工業新聞/共同通信イメージズ

 ゲームはもはや、単なる娯楽ではない。世界市場は約30兆円規模に拡大し、日本でも主要エンタメ企業の時価総額が自動車産業を上回るなど、「基幹産業」として存在感を強めている。『ゲームビジネス』(岡安学著/クロスメディア・パブリッシング)から一部を抜粋・再編集。全3回にわたり、成長を続けるゲーム産業の構造と、ヒットや強い知的財産(IP)を生み出す仕組みに迫る。

 かつてヒットしたゲームIPが、時を経て再び動き出す例が相次いでいる。メーカー各社の取り組みを手がかりに、ゲーム業界が実践してきたIP再生戦略の狙いに迫る。

なぜメーカーの枠を超えたキャラクターの共演が実現するのか

ゲームビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)

 みなさんは「アベンジャーズ」という映画をご存じでしょうか。

 この映画では、アメコミのスーパーヒーローたちが夢の共演を果たしています。オールスターキャストの作品は日本のアニメ作品などにも見かけますが、そのほとんどの権利元が同じであり、まったく違う映画会社のキャラクターが共演することはめったにありません。

 しかし、ゲーム業界であれば、まったく別のゲームメーカーのキャラクターが共演することが少なくありません

 最近話題になった例で言えば、カプコンの『ストリートファイター6』に、SNKの『餓狼伝説』シリーズのキャラクター、テリー・ボガードと不知火舞が登場しています。

 この2社によるコラボレーションは、1999年に始まった『SNK VS. CAPCOM』シリーズに遡ります。この流れを受けて、2025年にリリースされた『餓狼伝説 City of the Wolves』に、『ストリートファイター』シリーズから、ケンと春麗(チュン・リー)の参戦も発表されています。

 ゲーム業界では、ゲームシステムに関わる特許などでクロスライセンス契約をおこなう慣例があり、この仕組みを使って他社のIPを使うことが多く見受けられます。この慣例があることで、他のメディアと比べて、コラボレーションを実現しやすい環境にあると言えるでしょう。