愛子さまのご活躍が後押しする“本来の輝き”

 誕生日に合わせて公表される医師団の見解は、今年も「御体調には波がおありです」と記された。皇后の務めは多岐にわたり、日々の準備や知識の吸収など、表に見えない負担も大きい。その慎重な姿勢は当然だ。

 しかし、国民の目に映る雅子さまは、近年になく伸びやかで自信にあふれている。焦らず歩みを進めてこられた年月が今年、大きな実を結び、“本来の雅子さま”の輝きが戻りつつあることを感じさせる。

 今年の雅子さまの輝きを語るうえで、愛子さまの存在は欠かせない。大学卒業後、日本赤十字社で勤務しながら公務に臨まれ、初の外国公式訪問となったラオスでは、その真摯で親しみやすい姿が現地で大きな話題を呼んだ。

 母として成長を見守ってこられた雅子さまにとって、その活躍は喜びであり、励ましでもあっただろう。

「生まれてきてくれてありがとう」と語られた日から20余年。今、胸にあるのは「立派に成長してくれてありがとう」という穏やかな感謝の思いかもしれない。

 両陛下と愛子さまが紡ぐ「令和の皇室像」は、平和の継承、国際親善、国民との共感という3つの柱を中心に、より鮮明さを増している。

 その中心にいるのが雅子さまである。陛下を支え、愛子さまの成長に寄り添い、世界を知る広い視野を生かしてご公務に臨む。その姿は、令和の皇室が体現する「柔らかな強さ」を象徴しているように見えるのだ。

「天皇杯 第50回記念日本車いすバスケットボール選手権大会」の観戦で東京体育館に到着し、出迎えを受けられる雅子さまと長女愛子さま(2025年2月2日、写真:代表撮影/共同通信社)

 令和の皇室がこれからどのような未来を描いていくのか。その行方を考えるとき、62歳を迎えられた雅子さまの、かつてないほど豊かで明るい笑顔こそ、ますます欠かせないものとなっていくだろう。