
(つげ のり子:放送作家、皇室ライター)
第一子を出産した秋篠宮家の長女・小室眞子さんの「立場」
5月30日、秋篠宮家の長女・小室眞子さんが第一子を出産したと宮内庁が発表した。秋篠宮ご夫妻にとっては初めての孫であり、上皇ご夫妻にとっては初めてのひ孫にあたり、皇室全体にとっても大きな喜びであろう。
しかし、皇籍から離脱した眞子さんご本人の立場は、あくまで「民間人」であり、また秋篠宮さまから「皇室としては類例を見ない結婚」と冷ややかな対応をされてきた経緯を鑑みれば、母子ともに帰国してご挨拶することは、今の時点では難しいようだ。
ただし、仮に生まれた赤ちゃんの性別が男の子だとしたら、将来、皇室の安定的存続を保つためという理由で、その血筋がクローズアップされる可能性があるかもしれない。

近年、女性皇族の結婚にまつわる問題や、皇室の将来像についての関心が高まり、国民の間では皇族の在り方に対する議論が広がりを見せたが、政治の場では目立った改革の動きは見られない。
特に、結婚を機に皇籍を離れる女性皇族の処遇や、皇族の減少に伴う皇室活動の継続可能性については、議論はすれども法的に前へ進めようという動きは、あまり感じられない。
では、皇室維持に関する制度改革について、政府における議論が進まないのはなぜなのだろうか?