路面コンディションを広くカバーする「パワートレイン」

 エンジン、変速機は第1世代のキャリーオーバーで、ISG(発電機兼スターターモーター)にごく小さな駆動力アシスト能力を持たせたマイルドハイブリッドは廃止された。

 ターボエンジンのパワーは47kW(64馬力)規制があるので他社と比べて特段優れている部分はない。スロットルを踏み込んだ時の応答性は今どきのターボエンジンの標準的なラインはクリアしており、踏めば即座にパワーが立ち上がる。

 三菱自動車はCVT(無段変速機)の変速制御を改善したと主張している。平地においてはおおむね狙い通りの挙動となっており、パワーが必要な時でもせわしなく高回転を使うのではなく、低い回転数でパワーを出すフィールに仕立てられていた。

 そのポリシーが破られたのは登り急勾配のような高負荷時で、スロットルの踏み込み量が一定以上増すと低回転で粘るのではなくエンジンを回してドバッとパワーを出す制御に切り替わるような感じだった。

 平坦な地方道、未舗装農道、舗装面の荒れた急勾配を伴う山岳路を計30kmあまり走った時の平均燃費は20.0km/リットル。第1世代の長距離テストの経験に鑑みて、おそらく燃費は大差ないものと推察された。今回のような信号によるゴーストップが少ないルートではマイルドハイブリッド廃止による経済性の悪化は限定的とみていいだろう。

 ドライブモードは「ノーマル」「エコ」「パワー」「グラベル」「スノー(積雪路)」の5種類。うち後2種はデリカミニ専用のモードである。それらを試す機会はなかったが、三菱自動車はモードセレクトについてかなりメリハリの効いたチューンをする傾向があるので、路面コンディションのカバレッジの広さについては期待が持てる。

デリカミニ専用装備のドライブモードセレクタ。グラベル、スノーモードも設定されており、悪コンディションへの対応力増強が図られた格好だ(筆者撮影)