第1世代に比べてeKスペースとの差別化ポイントが増えた「内外装、室内」
第2世代デリカミニで最も難しかったのは、全体のフォルムやフェイスの面積などが大きく変わる中で、第1世代のデザインイメージをどう継承するかということ。
実車を見るに、その変化の中でワイルドさとファニーさの両立、目ヂカラに代表されるキャラクターの強さなど、さまざまな要素を良いバランスでまとめており、その難しい作業をうまく成し遂げたという印象だった。
第2世代デリカミニのリアビュー。第1世代に比べて“箱感”は格段に強まった(筆者撮影)
今回は商品企画の初期段階からデリカミニとして仕立てることを前提としていたこともあって、モデルライフ途中でのビッグマイナーチェンジで誕生した第1世代に比べてeKスペースとの差別化ポイントは増えた。
大きな違いのひとつはボンネット形状で、デリカミニの専用品。フード上にプレスラインが刻まれたことでフェンダーの尾根が認知しやすくなり、オフロード走行における重要なファクターである車両感覚のつかみやすさは明らかに向上した。
車内も基本的な造形はルークス/eKスペースと共通だが、ダッシュボードが分割構造となっており、物置の部分はデリカミニ専用にデザインされていた。物置のトレイはルークス/eKスペースに比べて深く、少々揺れたくらいでは物が飛び出さない仕様になっていた。
第2世代デリカミニのダッシュボード形状はは日産「ルークス」、三菱「eKスペース」と異なる(筆者撮影)
センタークラスタ上にロータリー式のドライブモードセレクタが備えられるのも、他の兄弟モデルと大きく異なる部分だ。
車内からの眺望はフロントウインドウが立ち、その上端までルーフが被る軽スーパーハイトワゴンの標準的なビューとなった。
フロントウインドウの傾斜が強かった第1世代とは別物で、軽自動車でありながら普通車に乗っているような感覚ではなかった。そういう特別感は失われたが、軽スーパーハイトワゴンに乗り慣れたユーザーにとっては馴染みのある視界で、違和感は少ないだろう。
ちなみにAピラー(車のフロントガラスの両端を支える柱)まわりは大変細く作られており、視界は大変良好だった。
フロントウインドウが立てられたことで斜め方向の視界は拡大された。半面、普通車に乗っているような感覚は失われた(筆者撮影)