極まった感のある日産の「モダンリビング路線」
一野氏の説明からは、第4世代エルグランドはアルファードと同格ではあるが、プライベートユースに寄せることでキャラクターを大きく違える作戦であることがうかがえる。
現時点ではもちろんテストドライブはできていないが、ジャパンモビリティショーではインテリアを含めて細部を観察することができた。
その印象だが、インテリアについては日産のモダンリビング路線が極まった感のある、シックな仕立て。シートは大きく見せることより各部をなるべく薄く作ることを志向しており、室内の実効スペースの拡大やウォークスルーのしやすさを重視していることがうかがえた。
日産は「ゼログラビティ(無重力)シート」と銘打った、クッション厚に過度に依存せず効率的に疲れにくい姿勢を保持するシートの採用を進めている。エルグランドのシートはその発展形と言えそうだった。
「ゼログラビティ(無重力)シート」を採用する第4世代エルグランド(筆者撮影)
外装もマッシブなデザインだが、現時点では塗装のフィニッシュがまだ仕上がり前という感があった。大型ミニバンはボディパネルの面積が極めて広いため、塗装を美しくツルツルに見せるのが難しいのだ。
もっとも、同じようにボディパネル面積の広いフルサイズSUVの海外市販モデル「パトロール」は十分に高質な仕上がりを見せていたので、日産の技術が甘くてフィニッシュが悪いというわけではなさそう。現時点では量産試作の手前、生産試作の段階にあるものと考えられる。来年(2026年)夏の発売までには修正してくることだろう。
日産が日本市場に久々に投入するフルサイズクラスの第4世代エルグランド。トヨタ一強の市場において、どのような存在感を見せることができるか、大いに興味のわくところだ。








