気になる次期エルグランドの「全貌」
現時点で公開されている情報をもとに、次期エルグランドの概要を紹介しておこう。
【サイズ】
全長4995mm×全幅1895mm×全高1935mm。長さと高さはアルファードと同寸だが、車幅はアルファードの1850mmを超え、レクサスLMと比較しても5mm広い。国産ミニバンとしては最大級のボリュームだ。
フルサイズミニバンの広い車内(次期エルグランドの試作車、筆者撮影)
【アーキテクチャ】
プラットフォームは次期エルグランドのための新規設計品。ルノー日産三菱連合は中大型車向けアーキテクチャ「CMF-C/D」を持っており、それを用いた三菱自動車「アウトランダーPHEV」は2トン超で素晴らしい商品性を実現している。
にもかかわらずプラットフォームを新造したのは、それでは足りないということ。目標性能を相当高く設定したことがうかがえる。また路面状況や走行状況に応じてショックアブソーバーの減衰力をリアルタイムに調節する機構を実装予定であることが公表されている。
【駆動系】
前後に大出力の電気モーターを配した電動AWD(4輪駆動)。前後の駆動力配分や左右輪のブレーキ力などを精密に制御して走行安定性や乗り心地を向上させることをうたった「e-4ORCE(イーフォース)」だ。技術的なベースはエンジン横置きのFWD(前輪駆動)だが、全車AWDとなる公算が大だ。
【パワーソース】
エンジンを発電に使い、電気モーターで駆動するシリーズハイブリッド「e-POWER」の第3世代。発電専用に設計された過給機付き直列3気筒1.5リットル「ZR15DDTe」。エンジンの排気量削減は世界的な潮流だが、発電専用とはいえこのクラスに排気量1.5リットルという小型エンジンを積むのは異例である。
【先進装備】
ADAS(先進運転支援システム)は限定条件下でハンズオフ(手放し運転)が可能となる「プロパイロット2.0」、常時ステアリングを保持する必要がある「プロパイロット」の2種類。プロパイロット2.0は時速50km未満の渋滞走行時にハンズオフの領域を拡大。
次期エルグランド(試作車)の室内(筆者撮影)
スピード、エネルギーモニタなどを表示するインストゥルメントパネルとカーナビなどを表示するセンターディスプレイを統合した14.3インチ液晶モニターを装備。オーディオはヘッドレストスピーカーを含め22スピーカーのBOSEサラウンドシステムを搭載。