次期CX-5はFFベースに

 今回のプレゼンテーションでは、国内向けなどでの「CX-60」「CX-80」と、北米向けが主体の「CX-70」「CX-90」について「ラージ商品(群)」という位置付けとした。

 一方で、「マツダ3」「CX-30」、そして北米向け「CX-50」などでこれまで用いてきた「スモール商品(群)」という表記が見当たらなかった。

 そうした中、CX-5については、ラージ商品群とスモール商品群が市場導入される前に初代モデルがFFとして登場しており、現行の2代目モデルもFFであるが、ラージとスモールどちらの商品群にも属さないという立ち位置だった。

 この点について、取締役 専務執行役員で最高技術責任者(CTO)の廣瀬一郎氏に確認したところ、「ラージ商品群はFR(後輪駆動車)ベース、またスモール商品群はFF(前輪駆動車)がベースで、次期CX-5はFFベースであるため、(言うなれば)スモール商品群に属する」という見解を示した。

 一時は、次期CX-5はFRベースのラージ商品群になるのではとの見方もあった。マツダとして次期CX-5がFFベースであることを明らかにしたのは、筆者が知る限り初めてだ。

 現行CX-5は、マツダのグローバル販売数の約3割を占める重要モデル。

 あくまでも私見であるが、日本を含めたグローバル市場向けのインパクトを考えると、今年10月30日から11月9日に一般公開予定のジャパンモビリティショー2025で世界初公開される可能性が高いのではないだろうか。

 市場動向によっては、それより早くお披露目されるのかもしれない。

 次期CX-5の動向を、今後も引き続きウォッチしていきたい。

桃田 健史(ももた・けんじ)
日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなどのレースにレーサーとしても参戦。ビジネス誌や自動車雑誌での執筆のほか、テレビでレース中継番組の解説なども務める。著書に『エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?』『グーグル、アップルが自動車産業を乗っとる日』など。
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