そのまま飲んでもおいしい水道水、知られざる銘酒

 あまり知られていないが水のおいしさもピカイチだ。「そのまま飲んでもおいしい」(富山市民)という富山の水道水。そのおいしさの秘訣は、①源流が北アルプスの雪解け水で、真夏でも冷たい、②立山連峰の山麓にあるブナの自然林が緑のダムとなり、清冽で芳醇な水が蓄えられている、③急峻な地形を流れる水は、十分な酸素と程よいミネラルを含んでいる──からだという。

 水がうまければ、当然いい酒がある。「勝駒」(清都酒造場 高岡市)、「羽根屋」(富美菊酒造 富山市)、「林」(林酒造場 朝日町)は日本酒評価SAKETIMEの「富山県の日本酒ランキング2025」で1~3位に選ばれるなど、東京では知られていない銘酒がそろっている。総曲輪の酒場でじっくりと味わいたい日本酒である。

 このほか富岩運河の水面を活かした親水文化公園である「富岩運河環水公園」は年間178万人の観光客(2023年)が訪れる人気スポットで、「世界で一番美しい」と称される「スターバックス富山環水公園店」の存在が有名だ。

富岩運河環水公園の天門橋(富山市)富岩運河環水公園の天門橋(富山市、写真:共同通信社)

 路面電車で北側ルートの終着駅「岩瀬浜」周辺の雰囲気もいい。江戸時代から明治にかけて北前船の交易で栄え、今なおその歴史的な町並みと文化を残している。伝統的な建築物をリノベーションしたギャラリーや割烹、バーなど新たな店が次々とオープンしている。新旧の文化が入り混じっている町でもある。